サロン集客は「発信量」よりも、“どんな接触を、どのタイミングで、どのくらい行うか” で結果が決まります。
多くのサロンは、
・SNSだけ更新して終わる
・LINEはたまにしか送らない
・DMは何を書けばいいかわからない
という状況に陥りがち。
しかし本来、予約が自然と安定するサロンは、「接触の設計」=コミュニケーションの流れが整っているサロン です。接触設計とは“お客様の心が動くタイミングを理解し、適切な言葉を届けること”。
この第11章では、ひとりサロンが無理なく実践できるLINE・SNS・DMを使った「接触の流れ」 を、実務レベルで解説していきます。
接触設計とは“必要なときに、必要な言葉が届く仕組み”
予約が安定しているサロンは、共通して 「適切な接触タイミング」を把握している という特徴があります。人は「感情が動いた瞬間」に行動します。接触設計とは、その瞬間を逃さないための仕組みです。
1. LINE・SNS・DMの役割を明確にする
3つの役割を勘違いすると、接触の質が落ちます。
① SNS|“興味づくり” が役割
SNSはファンを増やす場所ではありません。
役割は
- 共感
- 興味
- あなたの世界観の提示
予約を取る場所ではなく“最初の接触” のためのメディアです。
② LINE|“信頼づくり” が役割
LINEは深い文章が届きやすく、一番“心に触れる接触ポイント”。
- 悩みの解説
- お客様の声
- 施術の意図
- 予約案内
- 来店後のフォロー
関係性を育てる場所。
③ DM(個別メッセージ)|“心の距離を縮める” のが役割
DMは最も距離が縮まる手段。
例:
- 「気になる点あれば気軽に聞いてくださいね」
- 「先日の投稿見ていただきありがとうございます」
軽い接触が“心理的ハードル”を下げます。
2. 接触設計の3つの目的
接触には3つの段階があります。
① 興味を思い出してもらう(リマインド)
例:SNS投稿 → LINE登録 → DMで感謝
「このサロン気になる」
という“興味の再点火”をする。
② 安心・信頼が深まる(理解のフェーズ)
例:
- 施術への考え方
- からだの仕組み
- お客様の声
理解が深まると、行動しやすくなる。
③ 行動への後押し(判断のフェーズ)
例:
- 空き状況の案内
- 初回特典
- 悩みに合わせたメニュー案内
“最後の一押し”が必要なタイミングがここ。
3. 予約率を上げる“接触のタイミング設計”
① 興味が高いタイミング(SNS接触後すぐ)
- DMのお礼
- LINE登録への誘導
- 興味を持ってくれた人に軽い接触をする
例:
フォローありがとうございます。なにか悩みがあればお気軽に相談くださいね。
軽い接触ほど効果が高い。
② 来店前(緊張をほどく)
LINEで:
当日はゆっくり過ごしていただけるよう○○をご用意していますね。
安心が生まれ、来店率が上がる。
③ 来店翌日(体験が記憶に残っている時間)
例:
昨日はありがとうございました。○○の変化が1〜2日続きますのでゆっくりお過ごしくださいね。
翌日のフォローは再来率に直結します。
④ 1週間後(再来の判断タイミング)
タイミング例:
その後の調子はいかがですか?○○のケアが必要な時期ですので、よかったら参考になさってくださいね。
押しつけず、やさしく“必要性”を伝える。
4. 接触の“トーン”が揃うとブランドになる
接触の質は「言葉」で決まります。
① 言葉のテイストを統一する
例(あなたの世界観に合うトーン):
- ゆっくり
- 整える
- ほどける
- 深呼吸する
- やわらかい
- 軽くなる
SNS・LINE・DMで言葉が揃っていると、世界観の一貫性が生まれ、信頼が高まる。
② 丁寧だけど“軽い”文章が最強
長すぎず、押しつけず、やわらかい。
例:
なにか気になることがあればいつでもご相談くださいね。
“話しかけやすい人” が一番予約されます。
5. 接触頻度の目安(ひとりサロン向け)
① SNS:週3〜5回
世界観・役立ち投稿・お声などバランスよく。
② LINE:月4〜6回
- 来店前
- 来店翌日
- 1週間後
- 月2回のコラム
- 空き枠案内(必要なときだけ)
③ DM:必要な人だけに軽いメッセージ
押しつけず、自然に。
まとめ|接触設計が整うと“予約が勝手に増えるサロン”になる
まとめ:
- 接触は「量」ではなく「質」で決まる
- SNS:興味、LINE:信頼、DM:距離を縮める
- 接触の目的は3つ(興味→理解→行動)
- 接触のタイミングがもっとも重要
- 言葉のトーンが世界観をつくる
- 頻度の目安を守ると自然に予約が増える
接触設計とは、お客様の心に“必要なときに、必要な言葉を届ける技術” です。
次章では、「接触ツールごとの役割とトーン」(第12章) を解説します。

