街を歩けばエステサロンやリラクゼーションサロン、整体院、ネイルサロンなど、本当に多くのサロンを見かけるようになりました。
新規開業もあれば、気づいたら閉店しているサロンもある。そんな中で、「どうしてあのサロンはいつもお客様でいっぱいなのだろう?」と疑問に思ったことはありませんか。
技術の高さや価格の安さ、立地の便利さ…。もちろんそれらは選ばれるための要素のひとつです。しかし、それだけでは長く愛され続けるサロンにはなりにくいのが現実です。
実は、選ばれるサロンには必ず共通点があります。それが “ストーリー” です。

①|なぜサロンに“ストーリー”が必要なのか
「技術があれば十分」「安くすればお客様は来るはず」
そう考えてしまいがちですが、それは一時的な集客にしかつながりません。今はネットで簡単に比較検討できる時代。技術や価格だけでは他サロンにすぐ真似され、差別化が難しくなります。
一方で“ストーリー”を持つサロンは、価格やメニュー以上に「この人にお願いしたい」と思ってもらえる強みを持っています。お客様にとっての「特別な体験」として記憶に残りやすく、紹介やリピートへと自然につながっていきます。
つまりストーリーは、
・サロンの存在理由を明確にするもの
・お客様の共感を呼び、応援したくなる気持ちを生むもの
・他にはない独自性を作り出すもの
という役割を果たしているのです。
②|“ストーリー”があるサロンの共通点
選ばれているサロンには、必ず次のような共通点があります。
1. オーナーの想いや原点が言語化されている
「なぜこの仕事をしているのか」「なぜこのサロンを立ち上げたのか」といった想いが明確で、お客様にも伝わっています。
2. コンセプトやメニューに一貫性がある
「働く女性のためのリセット空間」「40代以降の肌悩みに特化」など、ターゲットやテーマがぶれていません。
3. 世界観に統一感がある
ロゴ・内装・ホームページ・SNS投稿など、どこを見てもサロンのコンセプトが感じられるように設計されています。
4. 発信の中にストーリーが織り込まれている
「なぜこの施術を取り入れたのか」「お客様にどうなってほしいか」というストーリーを、ブログやSNSで語っています。単なる宣伝ではなく“共感を呼ぶ発信”ができているのです。
③|ストーリーがないサロンが陥りやすい問題
逆に、ストーリーがないサロンは以下のような状況に陥りやすいです。
- 価格競争に巻き込まれる:安さでしか選ばれなくなるため、利益が残らない。
- リピートにつながらない:なぜ通うべきかの理由が弱く、他サロンに流れてしまう。
- ターゲットがぼやける:誰でも来てほしいという姿勢が伝わり、「自分向けのサロンではない」と思われてしまう。
これらは、実は「ストーリーがないこと」に起因する問題なのです。

④|あなたのサロンにストーリーを作るステップ
では、具体的にどうすればストーリーを作れるのでしょうか。以下のステップで整理していくと形にしやすくなります。
1. 原点を振り返る
なぜセラピストになったのか、なぜ独立したのか。その背景には必ずあなた自身の体験や想いがあるはずです。病気の経験、家族との出来事、学びの積み重ね…そこから“原点”を掘り起こしましょう。
2. お客様への想いを言葉にする
「こんな人の役に立ちたい」「こんな未来を一緒に作りたい」など、サロンを通じて叶えたいビジョンを文章化します。
3. 理想のお客様像を具体化する
年齢、ライフスタイル、悩み、価値観などを明確にし、その人に寄り添う言葉を使いましょう。
4. サロン全体にストーリーを反映させる
サロン名・メニュー名・施術説明・内装・接客に至るまで、統一した物語を感じられるようにします。
5. ブログやSNSで発信する
ただ持っているだけでは伝わりません。文章や写真で、あなたのストーリーをお客様に届けることが大切です。
⑤|ストーリー事例
例えばこんなストーリーが考えられます。
- 自身の不調から学んだ経験
- 「私自身がひどい肩こりに悩んでいたことをきっかけに、リンパケアの効果に感動しました。同じ悩みを持つ方に、この心地よさを届けたいと思い、サロンを始めました。」
- 海外経験を活かした独自性
- 「海外で学んだアロマセラピーを、日本の女性のライフスタイルに合わせてアレンジしています。香りを通じて心身を整える時間を提供したいと思っています。」
- ライフステージに寄り添う想い
- 「子育てや仕事で忙しい女性に、自分を取り戻す時間を持ってほしい。だからこそ短時間でも深くリラックスできる施術を開発しました。」
これらのエピソードは、その人だけのストーリー。技術や価格ではなく「想い」に共感したお客様が、指名やリピートにつながっていくのです。
さらに一見他にもありそうなストーリーだとしても、その魅せ方や使うワードによって”他とは違うストーリー”として魅せることも可能です。
まとめ|選ばれるサロンは“ストーリー”で記憶に残る
選ばれるサロンには必ず“ストーリー”があります。技術や価格だけでは差別化が難しい今だからこそ、あなた自身の原点や想いを言葉にして、サロンに一貫性のある物語を持たせましょう。
お客様は施術そのもの以上に、「どんな想いで施術してくれるのか」「このサロンに通うとどんな未来が待っているのか」を求めています。
ストーリーがあるサロンは、ただ選ばれるだけでなく、お客様に長く愛され、紹介されるサロンへと成長していきます。
まずは一度、自分のサロンのストーリーを振り返り、言葉にしてみてください。それが、あなたのサロンが「選ばれる理由」になります。