新規客を「3回来店」させることに集中しよう

新規のお客様を獲得するのは、多くの時間とコストがかかる一方、リピートされない限りその投資は短期間で終わってしまいます。しかし、お客様が3回目の来店を迎えると、その後も継続的に通っていただける可能性がぐっと高まる、いわゆる「常連化曲線」という現象があります。

本記事では、新規のお客様を3回目の来店へと導く重要性と、その具体的な戦略について考えていきます。

目次

なぜ「3回来店」にこだわるのか?

1. 「常連化曲線」の裏付け

マーケティング研究や実務の中で、多くの専門家が指摘する事実があります。それは、お客様が3回目の来店を達成すると、リピート率が飛躍的に高まるということです。

1回目は「お試し」、2回目は「確認」、3回目は「定着」という心理的な流れが働くからです。これを踏まえると、新規顧客の集客以上に「2回目、3回目の来店」へと繋げる戦略が鍵となります。

2. コスト効率の向上

新規顧客獲得は既存顧客を維持するコストの5~10倍と言われています。リピートされなければ、新規集客のために広告費などの費用と労力を割き続ける必要があります。しかし、リピートが増えれば、一人当たりの顧客獲得コストは下がり、サロンやスタジオ事業の利益率が向上します。

3. 口コミによる波及効果

3回以上通う常連客は、ブランドへの信頼感や愛着が深まりやすくなります。その結果、友人や知人への口コミ、SNSでの投稿といった「自然な宣伝」が発生する可能性が高まります。

新規客を「3回来店」させるための戦略

1. 初回訪問時の感動を演出

初回訪問での体験は、その後のリピートに大きく影響します。以下を意識しましょう。

  • 温かいお迎え:お客様が緊張せずにリラックスできる雰囲気作り。
  • 高品質なサービス:クラスや施術が期待以上であること。
  • 適切なアフターフォロー:来店後に感謝のメールやアンケートを送る。

2. 次回予約の促進

初回訪問時に次回の予約を確定することが重要です。

  • 特典の提供:初回来店者限定の「次回割引クーポン」や「友人紹介特典」を提供。
  • フォローアップ連絡:数日後に「次回のおすすめ日程」を提案するフォローアップメールを送る。

3. 2回目来店の体験価値を高める

2回目の訪問では、さらに強い「価値」を感じてもらうことが重要です。

  • パーソナライズされたサービス:前回の要望やフィードバックを基に、お客様に合った提案を行う。
  • 次回のプランニング:継続的な利用が見込めるプランやイベント情報を共有。

4. 3回目の来店への動線づくり

  • 特別なメンバーシップ体験:3回目来店で特別な割引やポイント制度を活用。
  • レビュー依頼:3回目の来店時に簡単なレビューや感想をお願いする。感謝を伝えつつ、関係をさらに深めます。

リピート率を高めるための工夫

1. リマインダーの活用

定期的にリマインドメールやSNSを通じて、次回訪問を促す。特に「新商品」や「季節限定のクラス」など、タイミングを工夫して発信します。

2. 特別なイベントの開催

常連客向けのイベントや、既存客が新規客を招待しやすい体験型イベントを企画します。これにより、リピート率を高めると同時に新規顧客の獲得も図れます。

3. サプライズプレゼント

予期しない感謝のしるし(手書きのメッセージや小さなギフトなど)を提供することで、顧客の満足度を上げます。

注意点:リピートが伸びない理由を見直す

1. 期待を下回るサービス

リピートしない原因として、最初の体験が期待を下回っていた可能性があります。定期的にサービスの質を見直しましょう。

2. フォロー不足

来店後のフォローが十分でない場合、次回訪問へのモチベーションが下がります。

3. 価格やプランの明確さが不足

お客様が気軽に再訪できる価格や明確なプランがないと、リピートは期待できません。

まとめ

集客というと、新たな顧客の獲得ばかりに目が行きがちですが、集客は”集めること””継続利用いただくこと”、その2つの視点で考える必要があります。

新規顧客を3回来店させることに集中することで、ビジネスの安定性と持続性を高めることができます。単発の集客活動に終わらせず、初回から「次回」に繋がる工夫をし、3回目の来店を達成する仕組みを構築しましょう。その努力が、結果的に顧客基盤の強化や口コミ拡大に繋がり、ビジネス全体を発展させる大きな原動力となります。

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